
ファンダイビングとソロダイビングの違い
ファンダイビングは、ライセンスを取得したダイバーが観光やレジャー目的で海の景色を楽しむダイビングのことを指します。インストラクターやガイドが先導し、バディ同士で助け合いながら潜るのが一般的なスタイルです。一方でソロダイビングは、その名の通り単独で潜るスタイルで、計画からトラブル対応までを自分一人で完結させる必要があります。
ソロダイビングは、すべてのダイバーに開かれた遊び方ではありません。一定以上のスキルや経験、自己管理能力が求められ、地域やショップによっては禁止されている場合もあります。まずはファンダイビングの基礎をしっかり身につけたうえで、「なぜ一人で潜りたいのか」を考えるところからスタートしましょう。
ソロダイビングのメリット・デメリット
ソロダイビングには、自由度の高さや自分のペースで潜れる魅力がありますが、その分リスクも大きくなります。良い面と注意点の両方を理解したうえで、自分にとって本当に必要なスタイルかどうかを考えることが大切です。
ソロダイビングの主なメリット
ソロダイビングには、次のようなメリットがあります。
・自分のペースで潜れる(写真撮影や生き物観察に集中しやすい)
・バディのスキルや体力に左右されず、ストレスが少ない
・海況や自分のコンディションに合わせて柔軟に計画を変えやすい
・水中での判断力やセルフコントロールが磨かれる
特に、水中写真やじっくり観察が好きなダイバーにとって、誰かに気を遣わずに潜れることは大きな魅力です。一方で、これらのメリットを享受できるのは「安全管理を徹底できる人」に限られます。
ソロダイビングのリスクとデメリット
ソロダイビングには、次のようなリスクもあります。
・万が一のトラブル発生時に助けてくれるバディがいない
・急な体調不良や機材トラブルに対するリスクが高まる
・海況の変化に気づきにくく、浮上やエキジットが難しくなることがある
・地域ルールやショップの規約に反すると、トラブルや事故につながる
ダイビングは「一人では潜らない」が基本ルールです。ソロダイビングは、このルールから一歩踏み出す行為であることを理解し、認定コースやショップのガイドラインに従うことが欠かせません。
ソロダイビングが向いている人・向かない人
ソロダイビングに興味が出てきたら、「自分は本当に一人で潜る準備ができているか」を冷静に見極めることが重要です。経験本数やランクだけでなく、日頃のダイビングでの行動パターンや、トラブル時の対応力なども判断材料になります。
ソロダイビングに向いているダイバーの特徴
ソロダイビングに向いているのは、次のようなダイバーです。
・一定以上の経験本数があり、さまざまな海況を潜ったことがある
・残圧管理や浮力コントロール、安全停止などの基本が身についている
・水中で落ち着いて行動でき、トラブル時にもパニックになりにくい
・ログ付けや事前計画などをしっかり行う習慣がある
・地域ルールやショップの方針を尊重し、安全第一で判断できる
こうした要素は、一朝一夕で身につくものではありません。普段のファンダイビングの中で少しずつ意識していくことが、ソロダイビングへの近道になります。
ソロダイビングを控えたほうがよいケース
反対に、次のような場合はソロダイビングを控えたほうが安心です。
・ライセンスを取得して間もない、またはブランクが長い
・耳抜きや中性浮力など、基本スキルに不安がある
・体力に自信がない、持病や不調が気になる
・緊張しやすく、水中で焦ってしまうことが多い
・バディやガイドに頼りがちなダイビングスタイルになっている
まずは信頼できるガイドやバディと一緒に潜り、徐々に「自分で考えて行動する範囲」を広げていくことをおすすめします。
安全にソロダイビングを楽しむためのポイント
ソロダイビングを検討する場合は、「どうすればリスクを減らせるか」という視点がとても大切です。事前準備や装備、計画、コンディションの見極めなど、一つひとつの要素を丁寧に整えることで、楽しさと安全性のバランスを取りやすくなります。
必要なスキルと経験の目安
ソロダイビングを目指すなら、次のようなスキルや経験が一つの目安になります。
・アドバンス以上など、ある程度のランクを取得している
・残圧や水深、時間管理を自分で主導して行える
・マスク脱着やレギュレーターリカバリーなど、基本スキルを落ち着いてこなせる
・コンパスや地形を使ったナビゲーションができる
・トラブル事例や事故例を学び、事前に回避する意識を持っている
これらを満たしていても「絶対に安全」ということはありませんが、最低限の土台として意識しておくとよいでしょう。
装備・計画・コンディションチェック
ソロダイビングでは、通常のファンダイビング以上に装備と計画が重要です。
・予備のマスクやバックアップライトを用意する
・シグナルフロートやホイッスルなど、万が一に備えた安全グッズを携行する
・事前にエントリー/エキジットポイントと潮流を確認しておく
・無理をせず、浅場での短時間ダイブから始める
・少しでも不安要素があれば、その日は潜らない勇気を持つ
また、天気や波、流れだけでなく、自分の体調やメンタルもコンディションの一部です。「今日はなんとなく気が乗らない」と感じるときは、無理にソロで潜る必要はありません。
ショップやガイドと相談しながらステップアップ
ソロダイビングに興味がある場合は、一人で判断せず、普段利用しているショップやインストラクターに相談することをおすすめします。地域ごとのルールやポイントの特性を教えてもらいながら、自分に合ったステップアップ方法を一緒に考えてもらうと安心です。
まずはファンダイビングでセルフコントロールを意識し、少人数制ツアーやセルフダイブに近いスタイルから経験を重ねていくのも一つの方法です。自分のレベルや目標に合わせて焦らず経験を積んでいけば、ダイビングの世界をより深く楽しめるようになるでしょう。
